続・サルバドール雑感  
 
サルバドールって、アーチストの多く集ってるところで、みんな妙にテンションが高くて、クレイジーだ。ほとんどのヤツがクスリをやってる。オレがいたアパートの下にいた絵描きのヤツなんか、才能あふれるスバラシイ絵をかいてたが、なにせ生活が不安定、ヒモで暮らしてるような状態、目茶苦茶。クスリが入ってる時なんかは、ヤケに押しが強く(プッシー)なって、さかんに相手をまくし立てて、手のつけようがなくなる。この手のヤツでも一旦創作モードに人ると、朝っぱらから屋上で、クギを打って絵をかく額縁を作り始めて、それから何日も絵に没頭してる。ま、朝キッチンに行くと、強いマッコーニャの匂いが立ち込めてて、すぐわかるんだけど。また近くのアパートに住んでた絵描きのメヒカン(メキシコ人)なんかは3ヵ月位ここにいて、クスリと絵の生活をしていた。コイツはかなり売れてて、自分の展覧会なども開いてるらしく、まだまともな方だった。  

   
               

つづき…
BARで飲んでる時なんか、自分で作った首飾りや指輪など(これがまた妙に個性的で笑えるシロモノが多いんだけど)を売りにくるヤツ(マンギアという)もたくさんいて、みんな何とか一日一日をつないでる。ま、信用できないヤツも多いが、こういう混沌とした中というのは、アーチストにとっては生活しやすい所なんでしょうね。ま、土地柄かまってくれる人もいっぱいいるし。オレはサルバドールでは実際そういう生活をしたわけでなく、一旅行者だったわけで、ソイツらの内面、生活の苦しみはわからないが。ところで、混沌と言ったけど、バイーア州(首都サルバドール)は黒人が約80%を占め、移民で成り立っている国ブラジルの中では、人種的にははっきりしてる方である。でもサンパウ口から来たオレにとって、黒人が多いせいか、同国内ながらかなりのカルチャー・ギャップを感じてた。来て一週間は慣れるのに大変だった。  
でも慣れるにつれ、そこでの生活で自分が活性化してくるような感じがしてた。オレにとって旅は非日常、異質なものとのふれあいだと思ってる。人はみな日常はそれぞれの環境の中で生活していて、ある人にとってはその中で動きのフットワークが鈍り、そこから抜け出せず、だんだん身動きのとれなくなってきてしまっている場合もあるだろう。その場合、直面する問題に真っ向対峙し、べストなチョイスを考える時、別な環境の中へ柔軟に入っていける能力というのは不可欠。日常でそれができれば旅なんてする必要はないんだけど。「別に国のためにやってるわけじゃないから」と、さりげなくいう中田。自国の代表より、所属するクラブチームのほうがモチベーションとして断然おもしろいってこと。つまり、多人種な、異質なもの同士でなりたってる組織、環境の中でプレーするってことですね。


  つづき…  
 
ことさら国いうものを意識しなくてもそういう国家的ボーダーレスな所にいれば、逆に日本人であるという意識が自然に強く自覚されてくるんじゃないかな。オレも外へ出るたびにそう感じる。日本人であるということは、のがれられない宿命なんだから。そういう中に入っていって初めて、[自分のとるべき位置・角度・アイデンティティ]が見えてくる。どんな所でもやっていけそうな中田が羨ましい。自分自身をアッピールできるもの[Has his(her) own]を持っている人は強いし、それがなければ、 "サバイバル"の時代(だと思う)に通用しない。真の意味でのエボリューションはサッカーにおいてしかり、国という枠組を必要としない。異質なもの同士がそれぞれ存在価値を発揮し、それが認められる環境でのみ、個人は成長し、組織は活性化する、と思う。コンデ・コマ(前田光世)ほどの決意をもってまでしなくとも…
   

pelourinho界隈

 

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